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「田舎そば(850円)」@鬼怒川竹やぶの写真(2012年6月 再訪)

あじさいの季節、鬼怒川竹やぶを訪問しました。いままで数多くの日本蕎麦をいただいて参りましたが、水府村の慈久庵とここ鬼怒川竹やぶは他を圧倒してお蕎麦がおいしいと思います。ちょっと違います。

最近、栃木県邑楽郡や群馬県館林にラーメン喰いの遠征を挙行しましたが、行く道に選んだ抜け道がちょうど竹やぶの前を通るのです。通過する時間は、行きが9時で帰りは16時とかお店で蕎麦をいただく時間ではありません。しかし、喰いてえなあ、と都度思っており、とうとう爆発してこの日の訪問となりました。

細い道を下ります。対向車が来なければいいな、と思う車1台半くらいの道路幅の道が竹やぶへのアプローチになってます。100mくらい行くと、竹やぶの歌舞伎門が見えてきました。涼しげな暖簾がさげられ、さすが粋と情緒の竹やぶです。歌舞伎門の前の駐車場には車が見えません。タイミングがよかったようです。

このお店も、他の柏竹やぶ出身者のお店のように、門などの入り口を入って建屋の入口までが、ひとつの粋な世界があるわけです。ここ鬼怒川ではぐるりと回廊を作り、そこまでの傍らには植物が植えられていて期待感が徐々に高まる工夫があります。夏ですね。蚊取り線香が焚かれてましたが、その器もただものではありません。

入店して1名であることを告げ、ホールへと入場していきます。なんなんでしょう。このテーブルが並べられた直方体の空間に来ると、すっと心が落ち着きます。ひとさまよりずっと多い邪念も、すっと消えていくようです。阿部師の絵がコチラを見ています。

そばを打つ
自分を打つ
    竹やぶ あべたかお

テーブル面に彫刻のある席に座ります。ガラス戸からは鬼怒川が少しだけ見えてます。庭のあじさいも元気です。

メニューを拝見。ここは来る前から田舎そば、と決めてましたがその後メニューの変更がないかを確認します。

田舎そば 限定二十食 (850円) 

お訊きしたらまだあるということですので、お願いしました。

冷たい麦茶がおいしい。ほーほけきょ、が完璧なリズムと声量で歌ってます。以前来た夏でも聞いたような覚えが。静かです。ときどき阿部師の絵に目を向けながら出来上がりを待ちます。

静かに待っていると、お待たせしましたの声で目の前にすっと置かれました。見た目、なんだか神々しい感じにみえてしまいます。

見覚えのあった高台付きの丸笊。そこにふんわりと盛られた蕎麦。外殻までも挽きぐるみにしたまさに野趣溢れる、と蕎麦本に書きそうな風情です。それが江戸前の細切り。目を近づけて仔細に見ると、殻だけではなく、実もチョーがつくほどの粗挽きで蕎麦の粒子がぎっしりと詰まっている様子がわかります。

そんな田舎そばでありながら、この切り立ったエッジはもう見事というしか表現できません。これが技であり志の深さです。

つゆは小さな片口のなか。粗くおろした辛味大根。繊細に切られた青葱の木口切り。

さ、役者が揃いました。さっそく蕎麦をたぐります。この細打ちですから、軽い。長さもちょうどいい。すっと口に運んでいただきます。来た来た来た。これぞ蕎麦。蕎麦の気品ある風味。かぐわしい穀物。まさに蕎麦全開です。他店と全く違います。ここまでおいしく感じることができるんだな、蕎麦ってやつは。

片口から猪口につゆを注ぎ。蕎麦を手繰って下二分につゆをつけて一気飲み。風味がチェンジアップされ、味が膨らみます。辛口のつゆは豊かな日本の伝統的な食文化を感じ。旨みはあとから追いかけてくるつゆです。きりりとしたつゆの味に目を覚まされ、その後に魚介のうまみが追いかけてくる。何という粋な世界なんでしょう。ジブンは蕎麦通ではありませんが、この蕎麦のおいしさは十分分かります。どううまいか、よく表現できませんが、ちょっと異次元にも思える蕎麦の旨さです。

そして、ここからが、もっとお楽しみの蕎麦湯。竹やぶの調整蕎麦湯です。蕎麦粉を溶く音が聞こえてましたから、以前と変っていないと思います。蕎麦湯が入った木の器の蓋を開け。すごい。真っ白でとろとろの粘度の高そうな調整蕎麦湯が見えました。蓋をして、猪口に注ぎます。とろ~りとしたベジポタのような高粘度。

熱々です。猪口をそっと口につけ、そろりといただきます。ふ~う、ウメエなあ。蕎麦、そばがき、と並んで、同格のような旨さに感嘆します。ここで出汁のちからが発揮されます。潜んでいた出汁感が一気に広がります。

いつでも来れるロケーションなんで、1年も間を開けたことを悔いてます。せめて四季折々にはこの感動を味わいに来なければいけませんね。

(2011年8月 初稿)

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