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「田舎そば(限定20食)(850円)」@鬼怒川竹やぶの写真うだる暑さの中、涼を求めてやってきた鬼怒川やぶでいただく和食、蕎麦の繊細さ、粋な味。

自宅から車でおよそ40分。涼を求めて鬼怒川の流れを眺めにやってきました。鬼怒川にかかる赤い橋滝下橋を超えてから左に入り、川の見えるところでしばらく流れを見ていました。田んぼの稲も実が日ごとに重みを増し、だいぶ頭を垂れるようになり今年も恵みの収穫がもうすぐやって来ます。時計を気にします。そろそろ近くにある鬼怒川やぶの開店時間が迫ってきます。

この場所に鬼怒川やぶが店を構えて15年だそうですが、訪問するのは2回目。前回の訪問はあまりに昔で、うまい蕎麦を食べたということ以外は何も覚えていません。そういう意味では初めての訪問と変わりありません。お店まで続く細い道を川の方に向って進んで行くと、一番奥にやぶがあります。その奥は鬼怒川です。開店時間まで30分ほどありましたので、車をお店の駐車場に入れて、同行のBさんと川を眺めながらぶらぶらと歩いていました。そろそろ時間なのでお店に戻ります。

屋根のついたお客さんを迎える門。屋根の下には鬼怒川やぶと書かれた1枚の風流な板が張付けられていて、周りの孟宗竹の景色の中では一際鮮明に見えるような気がします。この門は店主自ら製作したと聞いてますが、お店の顔に情熱を持って取り組む店主の15年前の意気込みが伝わってくるようです。その先にあるお店の中をすぐに見たくなる。

門をくぐって入り口までは僅かな距離ですがアプローチがあって、ここの景色が一番いい。店の外壁には金属の板を細工して製作した美術品の表札がかかってました。右手には竹をメインに緑が植え込まれていて、石灯篭とか古びた石臼が配置されています。こういうことが古来から伝承される和の世界なんだと感心してしまいます。入り口はまだ開いていません。開店までもう少し時間がありましたので、入り口に置かれている長椅子に座って景色を楽しんでおりました。

開店時間前に奥さまが来られて、どうぞ中でお待ちくださいと声をかけてくださいます。誰もまだ入っていないお店に入れていただきました。お店の中に入ってそのまま進むとお座敷になっていて、右手が厨房、左手に進むと今回食事をした部屋になってます。テーブルが4つ。右側はガラスをはめ込まれ鬼怒川や庭の風情が楽しめる構造になってます。壁には、柏やぶの阿部さんの書と墨絵が額に入ってます。

そばを打つ 自分を打つ  竹やぶ

席について、ビールをお願いしました。何をいただくか。お願いしたのは。

にしん  840円
生ゆば  500円
葉わさび正油漬け 370円

そして、頃合を見計らって出してください、と頼んだ蕎麦は、

せいろそば  750円
田舎そば(限定20食) 850円
かけそば   750円

テーブルの表面はのみで削った彫りが入ったもので、これが朴の木から切り出して作ったものですね。お店の空気を作っていくのはこういう1点1点の小さなこだわりの集合であることが今さらながらに気づかされます。ビールが届きましたので、Bさんには申し訳ありませんが、ひとりでいただきます。つぃ~。冷たい麦の水が体中の細胞を目覚めさせて。

添えられてきたのは、四角い揚げ蕎麦。かりっと揚げられ塩味があてにぴったり。コップがひとつで、飲まないことが分かっているBさんにもちゃんとこの揚げ蕎麦を提供するところが、こういうお店なんですね。

葉わさび正油漬けには、今さっき削ったばかりと思われる削り節が乗せられてます。削り節が手削りで、波打っています。子供の頃は全部こうだったのにね。実に芳しい匂い。箸先でつまんでいただきます。つんと刺激のあるわさびが醤油でこなれて味になって、これ以上のあてはあるかい、と。風味が実にいい。取り皿は藍で文字が銘銘書かれていて、二人の分は、恵と笙でした。笙は楽器ですよね。う~ん。

お椀の中に入って出てきたのが生ゆば。お椀も由緒正しそうな骨董品です。わさびが別皿で添えられてます。ゆばを取り皿に取ってわさびを塗り、竹製の醤油差しで醤油をひとたらし。醤油差しは竹の枝を注ぎ口に使う風雅なもので、我が家にも是非ほしい。ゆばは濃厚な味でわさびとのコラボが実にいい。ふたりとも、シンプルな味の中に深さを見つけて、ときどきこういうお店に来たいと繰り返し話してます。

にしんはたっぷりな昆布を添えられて出てきました。身がほろりとなるまで甘辛く煮込まれていて、にしんのうまみが口の中にひろがります。これを蕎麦に入れようと考えた先人はまさに天才ですね。つまみに感心しながら、すべてきれいに食べ終わります。すると、奥様がすっと最初の蕎麦を運んできてくれました。最初の登場が、田舎そば。

そばは、高台つきの竹笊にきれいに盛られてます。この盛り方も蕎麦屋をいろいろ周ってみると、似ている様で全然違うことに気がつきます。美しい盛りです。添えられているのは、辛味だいこんと丁寧に切られた青葱。つゆは焼き物の片口に入れられてます。つゆをこれも焼き物の蕎麦ちょこに移動。準備が整います。

蕎麦はきりりとした細打ちで、粉砕された殻が相当量入れ込まれ点在する姿はそれだけでうっとり。更に仔細に見ると、蕎麦の粒粒がぎっしりで、高貴にさえ見えてきます。たぐった2,3本を口に含むとつい~っと穀物のいい香りが鼻に抜けていきます。ここがいいんだなあ。さらに蕎麦をたぐり、今度は先っちょにつゆをつけてすすりあげます。つゆが強く、この強さに負けない出汁の強さが後から追い上げてきて、名前を継承する重責は十分果たしていると感じます。

蕎麦はしっかりとしたコシを残し、ややかための茹で。さすがきっちりと水切りが施され、食べていてすがすがしい。蕎麦には不思議なことにもっちり感まで兼ね備えていて、これは一口ごとに楽しくなります。殻を入れ込む田舎蕎麦もいろいろ過去いただいてきましたが、これはちょっと異色のうまさという感じがしました。どこの蕎麦にも似ていない強さ、モッチリ感を感じました。辛味だいこんは途中から。蕎麦を食べてから辛味だいこんを後から口に入れる自己流で。これが、うまい。引き続きせいろそばをいただきます。

投稿(更新) | コメント (2) | このお店へのレビュー: 4件

コメント

KMです。
今竹やぶもいくつかあるのですね。
開店早々の柏には、私の先生と行きました。
日本に量が少ないと思いました(笑)。

KM | 2011年8月11日 18:51

KMさん

コメントありがとうございます。
現在、柏竹やぶの直営店は1軒のみで箱根にあります。先月、直営の六本木竹やぶ
を閉店させたところです。この鬼怒川はのれんわけを許された貴重な1軒で、
ロケーションがいい。蕎麦をていねいに仕事するのは師匠ゆずりなんでしょうけど、
蕎麦の量では柏竹やぶの2倍近くあると聞いています。
柏竹やぶ、未訪です。ご近所ですが、まだ行く気持ちになれません。ですので、
せっせとお弟子さんのお店に行ってます。牛久の季よりなんかはご一緒したい
くらいいいお店でしたね。

行列 | 2011年8月13日 12:34