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人里離れた鴨川の山間で柏竹やぶ譲りのとって置きの手打蕎麦が食べれる打墨庵加瀬。山羊と共に大成を祈る。房総ロングドライブな休日。九十九里から御宿に入って朝ケーキ。その後勝浦まで南下して昼地魚寿司。そのあと、更に南下してこの日の呼び物である鴨川郊外にある手打蕎麦店を訪ねます。お店の名前は、手造りそば打墨庵加瀬。柏竹やぶで修行後独立を果たした新進気鋭の店主に会いに行くのです。お店の前を走る道路は県道24号線。鴨川有料道路から外れて走るこの部分はほとんど車も通らず、訪問した時は見晴らしがいいこの場所は静寂に包まれてました。何も知らないでここを通ったら、お店の外観は何の建物に映るでしょうか。1億円くらいしそうな高級別荘?秘密結社の武装訓練所?いえいえ、趣向を凝らした手打蕎麦店です。いかにも柏竹やぶの阿部翁の影響を受けた異空間。店の南側の広大な原っぱに山羊が1頭、太陽を浴びて気持ち良さそうに寛ぎのポーズをとっていました。山羊を家族の一員にしても全く違和感を感じない山あいです。お店のブログを拝見しても、昆虫や蛙などの自然が生活の中に自然に入ってくる世界です。柏竹やぶにさえないピュアネイチャー。店主ご夫妻がこの地にお店を構えたおかげで、こうして田舎の土地に足を踏み入れられる幸運に恵まれました。秋晴れの天気がありがたい。山羊さんにご挨拶をしたあとお店の棟に向います。お店の前には自分の車だけですから、中にはお客さんはいないはずです。入り口の前まで来ました。う~ん、異形という言葉しか思いつかない芸術的な入り口。竹やぶワールドの入り口です。まったく太いまったく古い切り株を5個のピースに切断してそれを入り口の戸の周りに配置する。何と言うアートでしょう。貼り付けた写真をご覧いただきたいと。そのドアには小さな丸い飾りが付けられてます。最初は何かよく分かりませんでしたが、見方によっては“や”が読めます。隠し絵のようです。やぶ、であることが分かります。道に面した方には一切の窓がありません。無窓(むそう)です。店内がどうなっているのか、全く分かりません。どきどきした気持ちで戸を引くと・・・。奥にもうひとつ扉がありました。まだ店内は見えません。その小さな空間は、座るところもあって待ちあいに使うスペースも兼ねているようですが、そここそが竹やぶ世界の入り口だったのです。ビーズを埋め込んだデザインの床面。感激でくらくらして、よろめきそうになりながらもう一つ扉を開けて・・・。独特の照明、ライティングのなか、お店の中全体が美術館のようなおもむき。薄暗いです。これはちょっと考えていなかったお店の様子でした。竹やぶ世界がすばらしい形でお店になったなあ、と感じたのは牛久にある季より。季よりも尚一層の芸術的異次元であると感じました。天井はどこまでも高く、古民家の名残を残してます。壁に見覚えのあるタッチの絵がかけられてます。ああ、阿部翁の絵ですね。出身者の店には何かしら贈りものが飾ってありますが、ここのが一番すごい。これは何だと聞かれるらしいエヘへー、ウフフーうれしいねーハシラズネトマラズネヨコモアルくトタノシイヨ竹やぶあべたかおテーブル席について表紙が木製の芸術的品書きを拝見。全部のページが見てて楽しい。中で目が留まったのは、お昼のショートコース(限定十食)(2500円)*そばがき*せいろそば*にしんそば*甘味これしか考えられません。お願いしました。先ほどお寿司を食べたでしょ?いただきました。蕎麦は別腹です。であると思います。後で調べたら、寿司を食べ始めた時刻からちょうど1時間後に打墨庵の最初のお料理が配膳されました。その最初に配膳されたのは玉子豆腐でした。お通しのような感じで、すぐに配膳されこれで次のお料理を待つ格好です。もちろん手づくりで、これがふわふわでおいしい。食欲をわかす一品ですね。ちょっとしたものでも手持ち無沙汰にならず、窓の外を眺めながら次なる蕎麦に思いを馳せて・・、と小さな皿でも効用は大きい。そして、そばがき、です。漆の盆の上に乗せられた漆の木の器の中で、茶巾しぼりのような姿で出てきたそばがき。器には湯が張られていて、そばがきが冷めない格好になっています。添えられてきたのはわさびとかえし。箸先で重量を感じながら食べれる量を切り分けてそのままいただきます。ううう。大地から直接襲撃してきたような強い穀物の匂いに、これは興奮しました。ふわふわでとろけるような食感と蕎麦の立ち上がる匂い。わざびをつけて、かえしをつけて。かえしをつけると甘味がぐんと増してお菓子のような感じです。自分の好みはわさびだけをつける食べ方かな。これは、いとあはれなり、でした。次なるお料理は、せいろそば。これも素敵な器に盛られてます。器の底に小さなスノコが見えてます。蕎麦は最近では一番のエッジの鋭さ。照明を受けて蕎麦表面が乱反射するほどの粗挽き。そそられる図です。さっそくに手繰り寄せていただきました。そばがきで既に強烈な蕎麦の匂いに襲撃されましたので、蕎麦には匂いの期待はしておりません。鼻がセンシングできないと思っておりましたから。ところが、やはり蕎麦がちがいますね。自分のせいで香りを期待していなかったのは失礼でしたが、蕎麦のかぐわしい香りにほんわかしちゃいました。これはすごい。匂いもそうですが、蕎麦らしい食感は何物にも得がたく。この幻想の空間でいただくとますます蕎麦が謎めいてきて。つゆはきりりとした辛口で濃厚なもの。ほんの少し蕎麦の先につけるだけで手繰った蕎麦全体が再生する濃厚さは見事なものです。最後の蕎麦は、温かいにしんそば。青磁の素敵などんぶりにしっかり大きめのニシンが乗ってます。竹やぶのメインメニューのひとつですね。竹やぶのお弟子さんのどのお店でもそこのウリになっているメニューです。胴が太いにしんが中央に乗せられ、なかなか迫力ある図になってますね。ちょいとつまんでいただきます。身にしっかりと味がつけられ、柔らかくしかし食感がいいこのにしんの深い味わい。最初はどうして蕎麦とにしんなのか、とその相性に疑問をもっておりましたが、このにしんそばをいただくと、その疑問がいかに愚かだったのか気がつきます。貴重なつゆ。うまいねえ。みょうがとねぎで変化を楽しみます。蕎麦もしっかりかけそばを意識した茹で上がりで、せいろもいいけどかけもいいなあ。鬼怒川竹やぶでもせいろとかけの両方をいただきましたが、これを始めるとくせになりそうです。どちらも捨てがたい、どちらもいただきたい。頃合をみはからって、蕎麦湯がだされました。せいろのつゆもだいぶ残ってます。残してあります。これも残しておいた刻みネギを投入して蕎麦湯をいただきました。つゆの力強さがますます生きてきます。デザートの甘味は豆かん。香ばしく煎られた蕎麦の実がアクセントです。これなんかお土産に買いたくなっちゃいますね。上手に作ります。こうしてショートコースを全部いただくと、お店にあった阿部翁からのメッセージがずんと胸に迫ります。かせくんの作るそばは本物である。人間が保証できるかず少ない男で保証します。竹やぶ あべたかお最後に精算する時に若い店主とお話しました。奥さまも店主もごく自然体で気負うところがなく、控えめに話されるとても魅力のあるご夫婦でした。またお会いしたいですね。
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房総ロングドライブな休日。
九十九里から御宿に入って朝ケーキ。その後勝浦まで南下して昼地魚寿司。そのあと、更に南下してこの日の呼び物である鴨川郊外にある手打蕎麦店を訪ねます。お店の名前は、手造りそば打墨庵加瀬。柏竹やぶで修行後独立を果たした新進気鋭の店主に会いに行くのです。
お店の前を走る道路は県道24号線。鴨川有料道路から外れて走るこの部分はほとんど車も通らず、訪問した時は見晴らしがいいこの場所は静寂に包まれてました。何も知らないでここを通ったら、お店の外観は何の建物に映るでしょうか。1億円くらいしそうな高級別荘?秘密結社の武装訓練所?いえいえ、趣向を凝らした手打蕎麦店です。いかにも柏竹やぶの阿部翁の影響を受けた異空間。
店の南側の広大な原っぱに山羊が1頭、太陽を浴びて気持ち良さそうに寛ぎのポーズをとっていました。山羊を家族の一員にしても全く違和感を感じない山あいです。お店のブログを拝見しても、昆虫や蛙などの自然が生活の中に自然に入ってくる世界です。柏竹やぶにさえないピュアネイチャー。店主ご夫妻がこの地にお店を構えたおかげで、こうして田舎の土地に足を踏み入れられる幸運に恵まれました。秋晴れの天気がありがたい。
山羊さんにご挨拶をしたあとお店の棟に向います。お店の前には自分の車だけですから、中にはお客さんはいないはずです。入り口の前まで来ました。う~ん、異形という言葉しか思いつかない芸術的な入り口。竹やぶワールドの入り口です。まったく太いまったく古い切り株を5個のピースに切断してそれを入り口の戸の周りに配置する。何と言うアートでしょう。貼り付けた写真をご覧いただきたいと。
そのドアには小さな丸い飾りが付けられてます。最初は何かよく分かりませんでしたが、見方によっては“や”が読めます。隠し絵のようです。やぶ、であることが分かります。道に面した方には一切の窓がありません。無窓(むそう)です。店内がどうなっているのか、全く分かりません。どきどきした気持ちで戸を引くと・・・。
奥にもうひとつ扉がありました。まだ店内は見えません。その小さな空間は、座るところもあって待ちあいに使うスペースも兼ねているようですが、そここそが竹やぶ世界の入り口だったのです。ビーズを埋め込んだデザインの床面。感激でくらくらして、よろめきそうになりながらもう一つ扉を開けて・・・。
独特の照明、ライティングのなか、お店の中全体が美術館のようなおもむき。薄暗いです。これはちょっと考えていなかったお店の様子でした。竹やぶ世界がすばらしい形でお店になったなあ、と感じたのは牛久にある季より。季よりも尚一層の芸術的異次元であると感じました。天井はどこまでも高く、古民家の名残を残してます。壁に見覚えのあるタッチの絵がかけられてます。ああ、阿部翁の絵ですね。出身者の店には何かしら贈りものが飾ってありますが、ここのが一番すごい。
これは何だと聞かれるらしい
エヘへー、ウフフー
うれしいねー
ハシラズネ
トマラズネ
ヨコモアルくト
タノシイヨ
竹やぶ
あべたかお
テーブル席について表紙が木製の芸術的品書きを拝見。全部のページが見てて楽しい。中で目が留まったのは、
お昼のショートコース(限定十食)(2500円)
*そばがき
*せいろそば
*にしんそば
*甘味
これしか考えられません。お願いしました。
先ほどお寿司を食べたでしょ?いただきました。蕎麦は別腹です。であると思います。後で調べたら、寿司を食べ始めた時刻からちょうど1時間後に打墨庵の最初のお料理が配膳されました。その最初に配膳されたのは玉子豆腐でした。
お通しのような感じで、すぐに配膳されこれで次のお料理を待つ格好です。もちろん手づくりで、これがふわふわでおいしい。食欲をわかす一品ですね。ちょっとしたものでも手持ち無沙汰にならず、窓の外を眺めながら次なる蕎麦に思いを馳せて・・、と小さな皿でも効用は大きい。そして、そばがき、です。
漆の盆の上に乗せられた漆の木の器の中で、茶巾しぼりのような姿で出てきたそばがき。器には湯が張られていて、そばがきが冷めない格好になっています。添えられてきたのはわさびとかえし。箸先で重量を感じながら食べれる量を切り分けてそのままいただきます。ううう。大地から直接襲撃してきたような強い穀物の匂いに、これは興奮しました。ふわふわでとろけるような食感と蕎麦の立ち上がる匂い。
わざびをつけて、かえしをつけて。かえしをつけると甘味がぐんと増してお菓子のような感じです。自分の好みはわさびだけをつける食べ方かな。これは、いとあはれなり、でした。
次なるお料理は、せいろそば。これも素敵な器に盛られてます。器の底に小さなスノコが見えてます。蕎麦は最近では一番のエッジの鋭さ。照明を受けて蕎麦表面が乱反射するほどの粗挽き。そそられる図です。さっそくに手繰り寄せていただきました。そばがきで既に強烈な蕎麦の匂いに襲撃されましたので、蕎麦には匂いの期待はしておりません。鼻がセンシングできないと思っておりましたから。
ところが、やはり蕎麦がちがいますね。自分のせいで香りを期待していなかったのは失礼でしたが、蕎麦のかぐわしい香りにほんわかしちゃいました。これはすごい。匂いもそうですが、蕎麦らしい食感は何物にも得がたく。この幻想の空間でいただくとますます蕎麦が謎めいてきて。つゆはきりりとした辛口で濃厚なもの。ほんの少し蕎麦の先につけるだけで手繰った蕎麦全体が再生する濃厚さは見事なものです。
最後の蕎麦は、温かいにしんそば。青磁の素敵などんぶりにしっかり大きめのニシンが乗ってます。竹やぶのメインメニューのひとつですね。竹やぶのお弟子さんのどのお店でもそこのウリになっているメニューです。
胴が太いにしんが中央に乗せられ、なかなか迫力ある図になってますね。ちょいとつまんでいただきます。身にしっかりと味がつけられ、柔らかくしかし食感がいいこのにしんの深い味わい。最初はどうして蕎麦とにしんなのか、とその相性に疑問をもっておりましたが、このにしんそばをいただくと、その疑問がいかに愚かだったのか気がつきます。貴重なつゆ。うまいねえ。みょうがとねぎで変化を楽しみます。
蕎麦もしっかりかけそばを意識した茹で上がりで、せいろもいいけどかけもいいなあ。鬼怒川竹やぶでもせいろとかけの両方をいただきましたが、これを始めるとくせになりそうです。どちらも捨てがたい、どちらもいただきたい。頃合をみはからって、蕎麦湯がだされました。せいろのつゆもだいぶ残ってます。残してあります。これも残しておいた刻みネギを投入して蕎麦湯をいただきました。つゆの力強さがますます生きてきます。
デザートの甘味は豆かん。香ばしく煎られた蕎麦の実がアクセントです。これなんかお土産に買いたくなっちゃいますね。上手に作ります。こうしてショートコースを全部いただくと、お店にあった阿部翁からのメッセージがずんと胸に迫ります。
かせくんの作るそばは本物である。人間が保証できるかず少ない男で保証します。
竹やぶ あべたかお
最後に精算する時に若い店主とお話しました。奥さまも店主もごく自然体で気負うところがなく、控えめに話されるとても魅力のあるご夫婦でした。またお会いしたいですね。