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音威子府村三好農場という芭蕉庵でしか聞いたことのない名前が現実になって。3種の蕎麦のすごみを堪能す。千葉県の蕎麦店の中で人気のお店である芭蕉庵を訪れる機会に恵まれました。食べものサイトでは最近はずっと千葉ランキング首位を走っています。どんな蕎麦が食べられるかはもちろん興味の一番なのですが、同時に芭蕉庵がこだわる北海道音威子府村産の蕎麦がどんなものなのか食したい!っていうのもずっと続いてました。拙宅は千葉県と茨城県の県境を担う利根川の近くにありますので、どうしても常陸秋そばの産地である茨城県内の名店と呼ばれる蕎麦店を順番に周っています。したがいまして、この千葉県ベストワンに足を運ぶのが遅くなったというのが本当のところでございます。お店のある場所を確認すると、な~んだ、ここは成田から九十九里に向かうはにわ街道の出発点近くにあるのですね。ここなら渋滞もなくスイスイで行けるでしょう。輪番休日だったこの日、行ってきました。例によってずいぶん早く到着してしまいましたが、お店が定刻前に開けていただいたので助かりました。口開けのすがすがしい空気感のある店内に入ります。出迎えていただいた奥様にご挨拶。清潔感漂う店内には、テーブル席、カウンター席のほかに座敷も用意されていて使い勝手がよさそうです。迷わず打ち場の前のカウンター席に座りました。前の日には芭蕉庵に行くことを決めましたのでこれだけはやっておこう、と思っておきながら忘れてしまったことが一つあって。お店で打ち分ける6種類の蕎麦のうち、ごくあら、と呼ばれている蕎麦だけは予約が必要であるとどこかで読んだ記憶があったのです。予約しようと朝は覚えていましたが、お店に到着するまですっかり忘れておりました。席に座ると、奥様から、おしぼり、蕎麦茶、蕎麦唐揚の3点セットが運ばれて。蕎麦をぽりぽり食べながら品書きを拝見。奥様に話しかけて・・・あのお、ごくあらは、予約だけですよね。実は昨日予約しようと思って忘れてしまって・・。お客さま、今日は5日ごとにやっている、ごくあらの日なんです。ごくあらもご用意できます。ほんとですか。これはラッキー的神様の思し召しでしょう。それじゃあ、品書きにもう一度目を落として、お店のこだわりがばっちり書かれてますが、それは後回しにしてまずはオーダーを決めなきゃァ。って、もう決まってるようなものですが。決めたのは、店外メニューにあった本日のお勧めである穴子を入れて、二色そば(せいろ、粗挽き)(1050円)活〆穴子の天ぷら(1050円)そして、食べたあとに〆でごくあらをオーダーする予定にして。オーダーは奥さまから厨房にいる店主に伝えられます。じゃあ、待つ間にとくとお店の主張を勉強しますか。まず基本的な姿勢は、安心、安全です。これは譲れません。有機栽培を中心に減農薬、無農薬の野菜やその他の食材についても安全、安心なものを提供するんだと。さらに続けて自然の恵みと大地のエネルギーを、思う存分楽しんでいただきたい、と結んでいます。そしてこの日のハイライトだったのは、夏休みにご夫妻の永年の夢がかなって玄蕎麦の故郷に旅行してきたその旅日記です。三好農場の蕎麦に惚れこんで蕎麦を打ってきたご主人が農場で見たものは?三好さんとようやく面会できて、その迫力ある蕎麦作りの情熱を聞いて感動したこと。農場の大きさ、日本でただ1台のドイツ製巨大コンバインの迫力。日本で一番小さな人口900人という北海道中川郡音威子府村(おといねっぷむら)字咲来(あざさっくる)が、現実の場所として鮮やかに描写されていました。この三好農場は他店でも聞いたことがあり、業界では有名な蕎麦の生産農場であるとは想像していましたが、ご夫妻のルポを拝見して、自分も行ってみたくなりました。迫力が違う。代理店がないコンバインを個人で輸入してメンテも全部自分でやり遂げる。蕎麦の生産者、製粉業者、蕎麦屋が尊敬しあっていいものを作っていく。そんな中で蕎麦屋としての責任を感じるご夫妻を改めて尊敬の念を覚えます。さて、そんなご夫婦の旅行記を読んでいたら、二色そばが穴子と共に届けられました。おお、これだよ。原理原則にしたがって、繊細なものからいただきます。野生児はあとまわし。どうですか、このせいろとあらびきは。せいろは、見事な細打ちのあでやかな艶を残すやや白みがかかった蕎麦です。見るからにしなやかそうで上品な感じで迫ってきます。少し手繰って試食をすると、これがまあ絶品と言う表現を持ち出したくなります。蕎麦の風味、香りが春の霞のようにふんわりとじんわりと迫ってきます。これはちょっと予想外でした。ほとんど1年を数える保存期間を経てるはずですから、この僅かにしか見えてない甘皮をもってしてもここまでの風味は正直期待しておりませんでした。石臼挽きの成果を甘受します。つゆもまたご主人の研究の成果でしょう。辛口濃厚で出汁感も強いかなり剛なつゆです。せいろにはほんのちょんとつけるだけで、蕎麦が生き生きします。実にうまい。粗挽きを後に食べてそれは正解です。この野趣溢れるを通り越してワイルドなあらびきを最初に食べてしまったら、他の蕎麦はかたなしですね。いいところを全部もっていかれちゃう。何と言う蕎麦を打つんでしょうか。これだけ殻ごと製粉されると、殻が食べるのにじゃまな異物に感じますが、まったくそんなことは感じもしませんでした。濃厚な香り、濃厚な味。このくらい蕎麦に存在感があると、つゆと同等な感じになりますね。このあらびきを標準としたい。左翼にさらしなとせいろ。右翼にごくあら。穴子もふかふかな仕上がりで、これは蕎麦とは別にいただきました。穴子だけ、と思いきや、人参やかぼちゃやピーマンが連れで来たのにはびっくり。全部おいしくいただきました。そして、蕎麦湯。最近は注ぐ前に湯桶の蓋を開けて中をチェックするくせがついてます。このお店もすごかった。うれしかった。蕎麦粉を溶いてくれた調整蕎麦湯。この粘度の高いとろーりがうまい。ということで、二色そばと穴子天はきっちりと食べ終えました。すみません、ごくあら1枚、お願いします。奥様にオーダーしました。ごくあらも決して最初に食べてはいけません。5分ほどで配膳されました。これには思わず歓声をあげましたね。どうです、この大粗挽きされた蕎麦は。まるで、蕎麦そのものを数珠のように繋げたような蕎麦の粒径がそのまま残っているような蕎麦です。それが細打ちなのがすごい。まあ見た目もそうですが迫力の風味と味です。これを食べてしまうと、せいろなんかはいくらのどごしがいいといっても、存在感が急速に小さくなってしまいますね。とにかく、うまい。予約なしで食べれた幸運に感謝。さすがの千葉県NO1の蕎麦でした。奥様に無理を言って厨房から姿を見せないご主人に会わせていただきました。この方ですね。本当においしい蕎麦でした、と平凡な言葉でお礼を申し上げて大満足の帰宅となりました。
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千葉県の蕎麦店の中で人気のお店である芭蕉庵を訪れる機会に恵まれました。食べものサイトでは最近はずっと千葉ランキング首位を走っています。
どんな蕎麦が食べられるかはもちろん興味の一番なのですが、同時に芭蕉庵がこだわる北海道音威子府村産の蕎麦がどんなものなのか食したい!っていうのもずっと続いてました。拙宅は千葉県と茨城県の県境を担う利根川の近くにありますので、どうしても常陸秋そばの産地である茨城県内の名店と呼ばれる蕎麦店を順番に周っています。したがいまして、この千葉県ベストワンに足を運ぶのが遅くなったというのが本当のところでございます。
お店のある場所を確認すると、な~んだ、ここは成田から九十九里に向かうはにわ街道の出発点近くにあるのですね。ここなら渋滞もなくスイスイで行けるでしょう。輪番休日だったこの日、行ってきました。
例によってずいぶん早く到着してしまいましたが、お店が定刻前に開けていただいたので助かりました。口開けのすがすがしい空気感のある店内に入ります。出迎えていただいた奥様にご挨拶。清潔感漂う店内には、テーブル席、カウンター席のほかに座敷も用意されていて使い勝手がよさそうです。迷わず打ち場の前のカウンター席に座りました。
前の日には芭蕉庵に行くことを決めましたのでこれだけはやっておこう、と思っておきながら忘れてしまったことが一つあって。お店で打ち分ける6種類の蕎麦のうち、ごくあら、と呼ばれている蕎麦だけは予約が必要であるとどこかで読んだ記憶があったのです。予約しようと朝は覚えていましたが、お店に到着するまですっかり忘れておりました。
席に座ると、奥様から、おしぼり、蕎麦茶、蕎麦唐揚の3点セットが運ばれて。蕎麦をぽりぽり食べながら品書きを拝見。
奥様に話しかけて・・・
あのお、ごくあらは、予約だけですよね。実は昨日予約しようと思って忘れてしまって・・。
お客さま、今日は5日ごとにやっている、ごくあらの日なんです。ごくあらもご用意できます。
ほんとですか。これはラッキー的神様の思し召しでしょう。それじゃあ、品書きにもう一度目を落として、
お店のこだわりがばっちり書かれてますが、それは後回しにしてまずはオーダーを決めなきゃァ。
って、もう決まってるようなものですが。決めたのは、店外メニューにあった本日のお勧めである穴子を入れて、
二色そば(せいろ、粗挽き)(1050円)
活〆穴子の天ぷら(1050円)
そして、食べたあとに〆でごくあらをオーダーする予定にして。オーダーは奥さまから厨房にいる店主に伝えられます。じゃあ、待つ間にとくとお店の主張を勉強しますか。
まず基本的な姿勢は、安心、安全です。これは譲れません。有機栽培を中心に減農薬、無農薬の野菜やその他の食材についても安全、安心なものを提供するんだと。さらに続けて
自然の恵みと大地のエネルギーを、思う存分楽しんでいただきたい、と結んでいます。
そしてこの日のハイライトだったのは、夏休みにご夫妻の永年の夢がかなって玄蕎麦の故郷に旅行してきたその旅日記です。三好農場の蕎麦に惚れこんで蕎麦を打ってきたご主人が農場で見たものは?三好さんとようやく面会できて、その迫力ある蕎麦作りの情熱を聞いて感動したこと。農場の大きさ、日本でただ1台のドイツ製巨大コンバインの迫力。日本で一番小さな人口900人という北海道中川郡音威子府村(おといねっぷむら)字咲来(あざさっくる)が、現実の場所として鮮やかに描写されていました。
この三好農場は他店でも聞いたことがあり、業界では有名な蕎麦の生産農場であるとは想像していましたが、ご夫妻のルポを拝見して、自分も行ってみたくなりました。迫力が違う。代理店がないコンバインを個人で輸入してメンテも全部自分でやり遂げる。蕎麦の生産者、製粉業者、蕎麦屋が尊敬しあっていいものを作っていく。そんな中で蕎麦屋としての責任を感じるご夫妻を改めて尊敬の念を覚えます。
さて、そんなご夫婦の旅行記を読んでいたら、二色そばが穴子と共に届けられました。おお、これだよ。
原理原則にしたがって、繊細なものからいただきます。野生児はあとまわし。
どうですか、このせいろとあらびきは。せいろは、見事な細打ちのあでやかな艶を残すやや白みがかかった蕎麦です。見るからにしなやかそうで上品な感じで迫ってきます。少し手繰って試食をすると、これがまあ絶品と言う表現を持ち出したくなります。蕎麦の風味、香りが春の霞のようにふんわりとじんわりと迫ってきます。これはちょっと予想外でした。ほとんど1年を数える保存期間を経てるはずですから、この僅かにしか見えてない甘皮をもってしてもここまでの風味は正直期待しておりませんでした。石臼挽きの成果を甘受します。
つゆもまたご主人の研究の成果でしょう。辛口濃厚で出汁感も強いかなり剛なつゆです。せいろにはほんのちょんとつけるだけで、蕎麦が生き生きします。実にうまい。
粗挽きを後に食べてそれは正解です。この野趣溢れるを通り越してワイルドなあらびきを最初に食べてしまったら、他の蕎麦はかたなしですね。いいところを全部もっていかれちゃう。何と言う蕎麦を打つんでしょうか。これだけ殻ごと製粉されると、殻が食べるのにじゃまな異物に感じますが、まったくそんなことは感じもしませんでした。濃厚な香り、濃厚な味。このくらい蕎麦に存在感があると、つゆと同等な感じになりますね。このあらびきを標準としたい。左翼にさらしなとせいろ。右翼にごくあら。
穴子もふかふかな仕上がりで、これは蕎麦とは別にいただきました。穴子だけ、と思いきや、人参やかぼちゃやピーマンが連れで来たのにはびっくり。全部おいしくいただきました。
そして、蕎麦湯。最近は注ぐ前に湯桶の蓋を開けて中をチェックするくせがついてます。このお店もすごかった。うれしかった。蕎麦粉を溶いてくれた調整蕎麦湯。この粘度の高いとろーりがうまい。ということで、二色そばと穴子天はきっちりと食べ終えました。
すみません、ごくあら1枚、お願いします。
奥様にオーダーしました。ごくあらも決して最初に食べてはいけません。5分ほどで配膳されました。これには思わず歓声をあげましたね。どうです、この大粗挽きされた蕎麦は。まるで、蕎麦そのものを数珠のように繋げたような蕎麦の粒径がそのまま残っているような蕎麦です。それが細打ちなのがすごい。まあ見た目もそうですが迫力の風味と味です。これを食べてしまうと、せいろなんかはいくらのどごしがいいといっても、存在感が急速に小さくなってしまいますね。とにかく、うまい。予約なしで食べれた幸運に感謝。
さすがの千葉県NO1の蕎麦でした。奥様に無理を言って厨房から姿を見せないご主人に会わせていただきました。この方ですね。本当においしい蕎麦でした、と平凡な言葉でお礼を申し上げて大満足の帰宅となりました。