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金砂郷の常陸秋そば。この珠玉を最大限おいしく提供するために、製粉する、打つ、茹でる。蕎麦もまた珠玉。輪番休日の最終日に、それまでどうしても行きたかった茨城県神栖市にある手打蕎麦ほそだまで遠征してきました。神栖には次に行きたい二の矢のお店が見つからなかったために、ほそだへは水郷佐原経由で。坂東太郎利根川をはさんで、佐原は千葉県ですが、佐原で食べたうなぎの山田から茨城のほそだまではおよそ10km。うなぎのあと、ちょっと小野川沿いに散歩して。おもむろに神栖に向えば時間的にちょうどよくなるうなぎ、蕎麦の連食になります。このほそだは、常陸秋そばを扱う蕎麦屋を集めた蕎麦の本で知りました。お店の開業は2009年。ご主人は若手のばりばりで、自分が目をつけたのはご主人の経歴からです。大学卒業後鶴岡、東京の3店舗でトータル14年の修行。まず、大学を出て蕎麦屋を目指す強い動機があったはずです。そして、この14年の長い修行時代には技を習得するに当たって合理的な考え方もあったと推測します。そうでなければ、鶴岡の修行7年後に店を始めているはず、と推理しました。筋が通っている経歴、のように行列には映ったのです。そのような推理のバックグランドがあって、ご主人はどうやら理詰めで物事の原理原則を考えていくタイプの方ではなかろうか、と直感したのです。経験も大事ですが、やはり理屈を知っての仕事というのは完成度がより高くなるのではなかろうかと。うなぎ、うめえなあ、って何回も反芻しながら台風の影響で泥水化して満水状態にあった利根川を超え、住宅街にあるほそだに着いたのは13時半でした。幹線からはほど近く、行きやすい場所でした。これがほそだかあ。蕎麦本の写真で見た瀟洒な1軒や。すっきりとしていて現代風です。玄関脇には松の木が。看板には、石臼挽き手打蕎麦の文字。藍色の暖簾には家紋が染め抜かれています。お店の前と脇の駐車場には車が1台ですので、お昼時の嵐は過ぎ去った後のようです。暖簾を分けてお店に入りました。店内にはテーブル席が延びていて左手には座敷席もあります。テーブル席のどん詰まりが打ち場ですね。中には電動石臼が入っています。外観と同じようにすっきりとした内装で、真新しいわけではありませんが、清潔で気持ちのいい空間が用意されていました。お店の方の挨拶に迎えられてテーブル席に着席。お客さんは1組で食事は終えているようです。さ、どんなお料理でしょうか。品書きを拝見。お店では自家製粉手打蕎麦と国産小麦を使った手打ちうどんのダブル手打麺がありました。うどんの欄には、細打ちであること、冷たいうどんが店のおすすめであることが書かれてます。うどんもいいなあ。合い盛りにするか、などど気が曲げられそうになります。手打うどんも悪くない。蕎麦は、もり(700円)、とろろ(850円)、天もり(1350円)、鴨汁そば(1450円)など。2食目ということもあり、迷いましたがもりをお願いしました。温かいうどんにはカレー南蛮うどん(950円)などが、おいでおいでをしてくるので困りました。待っている間に品書きをひっくり返しながら時間を潰します。蕎麦は常陸秋そばの自家製粉。蕎麦は外一。山葵は天城産本わさび青系種。蒲鉾は小田原産上板、とすべて本物志向。それでいいんです。お店の中に入れば、おいしいものをいただく。正しいものをいただく。さ、もりが配膳となりました。透明感のある細打ちの蕎麦です。表面は凸凹した様子が光の反射で見てとれます。これは、蕎麦の実が砕かれて粗挽きされた粒径の大きさを物語っていますね。粗挽きです。甘皮が欠片となって茶色い星になってます。実にいい姿をしてます。箸で手繰り寄せますが、この時点でもうしっかりとしたこしの強さを感じます。口に含むとふあ~っと蕎麦独特の風味が漂いました。上等です。この香りに弱いんです。この香りに遭遇したくて蕎麦巡りをしているようなものです。食べると風味と甘みが強い蕎麦であることが分かりました。きりりと氷水で〆られ、実に気持ちのいい食感で噛む楽しさが湧き上がり。これはいい蕎麦だなあ。機械切りのように規則正しく蕎麦切りされて。ちょっと長めの蕎麦は存在感十分です。つゆが気になります。蕎麦猪口に半分注いで、ちょっとなめてみました。極端な辛口でもなく、程よい辛口で程よい出汁感。実にうまいこと作るなあ。うまい汁です。かけそばも食べたくなります。蕎麦を手繰り直し、ちょん漬けで一気にすすり。まあ、うまいのなんの。出汁と蕎麦の相性がいい。蕎麦が一段とうまくなります。蕎麦を比較するのは愚の骨頂かもしれませんが、同じ茨城で常陸秋そばの二八で君臨するあの店と肩を並べるくらいうまいと思いました。蕎麦はあっというまになくなって。出された蕎麦湯をいただきます。たっぷりと濃厚なとろとろ蕎麦湯。これは汁のポテンシャルが高いので、汁も蕎麦湯も双方堪能することができました。ここまでの蕎麦湯には思わず喝采。この蕎麦に合わせるつゆは、という具合に、素材を確かめながら組み合わせを理詰めで設計していく。そんな店主ではなかろうか、との思いでお店に来たかったわけですが、今食べている蕎麦とつゆからは自分の推理を自画自賛したくなるようなレベルを見た思いがしました。神栖という町は自分には何の接点もない町に思っていましたが、もうそれはなくなりました。秋風が立ち始める季節に温かい蕎麦をいただきにまた立ち寄らせていただきます。ご主人のお礼を申し述べお店をあとにしました。
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輪番休日の最終日に、それまでどうしても行きたかった茨城県神栖市にある手打蕎麦ほそだまで遠征してきました。神栖には次に行きたい二の矢のお店が見つからなかったために、ほそだへは水郷佐原経由で。坂東太郎利根川をはさんで、佐原は千葉県ですが、佐原で食べたうなぎの山田から茨城のほそだまではおよそ10km。うなぎのあと、ちょっと小野川沿いに散歩して。おもむろに神栖に向えば時間的にちょうどよくなるうなぎ、蕎麦の連食になります。
このほそだは、常陸秋そばを扱う蕎麦屋を集めた蕎麦の本で知りました。お店の開業は2009年。ご主人は若手のばりばりで、自分が目をつけたのはご主人の経歴からです。大学卒業後鶴岡、東京の3店舗でトータル14年の修行。まず、大学を出て蕎麦屋を目指す強い動機があったはずです。そして、この14年の長い修行時代には技を習得するに当たって合理的な考え方もあったと推測します。そうでなければ、鶴岡の修行7年後に店を始めているはず、と推理しました。筋が通っている経歴、のように行列には映ったのです。
そのような推理のバックグランドがあって、ご主人はどうやら理詰めで物事の原理原則を考えていくタイプの方ではなかろうか、と直感したのです。経験も大事ですが、やはり理屈を知っての仕事というのは完成度がより高くなるのではなかろうかと。うなぎ、うめえなあ、って何回も反芻しながら台風の影響で泥水化して満水状態にあった利根川を超え、住宅街にあるほそだに着いたのは13時半でした。幹線からはほど近く、行きやすい場所でした。
これがほそだかあ。蕎麦本の写真で見た瀟洒な1軒や。すっきりとしていて現代風です。玄関脇には松の木が。看板には、石臼挽き手打蕎麦の文字。藍色の暖簾には家紋が染め抜かれています。お店の前と脇の駐車場には車が1台ですので、お昼時の嵐は過ぎ去った後のようです。暖簾を分けてお店に入りました。店内にはテーブル席が延びていて左手には座敷席もあります。テーブル席のどん詰まりが打ち場ですね。中には電動石臼が入っています。
外観と同じようにすっきりとした内装で、真新しいわけではありませんが、清潔で気持ちのいい空間が用意されていました。お店の方の挨拶に迎えられてテーブル席に着席。お客さんは1組で食事は終えているようです。さ、どんなお料理でしょうか。品書きを拝見。
お店では自家製粉手打蕎麦と国産小麦を使った手打ちうどんのダブル手打麺がありました。うどんの欄には、細打ちであること、冷たいうどんが店のおすすめであることが書かれてます。うどんもいいなあ。合い盛りにするか、などど気が曲げられそうになります。手打うどんも悪くない。
蕎麦は、もり(700円)、とろろ(850円)、天もり(1350円)、鴨汁そば(1450円)など。2食目ということもあり、迷いましたがもりをお願いしました。温かいうどんにはカレー南蛮うどん(950円)などが、おいでおいでをしてくるので困りました。
待っている間に品書きをひっくり返しながら時間を潰します。蕎麦は常陸秋そばの自家製粉。蕎麦は外一。山葵は天城産本わさび青系種。蒲鉾は小田原産上板、とすべて本物志向。それでいいんです。お店の中に入れば、おいしいものをいただく。正しいものをいただく。
さ、もりが配膳となりました。透明感のある細打ちの蕎麦です。表面は凸凹した様子が光の反射で見てとれます。これは、蕎麦の実が砕かれて粗挽きされた粒径の大きさを物語っていますね。粗挽きです。甘皮が欠片となって茶色い星になってます。実にいい姿をしてます。箸で手繰り寄せますが、この時点でもうしっかりとしたこしの強さを感じます。
口に含むとふあ~っと蕎麦独特の風味が漂いました。上等です。この香りに弱いんです。この香りに遭遇したくて蕎麦巡りをしているようなものです。食べると風味と甘みが強い蕎麦であることが分かりました。きりりと氷水で〆られ、実に気持ちのいい食感で噛む楽しさが湧き上がり。これはいい蕎麦だなあ。機械切りのように規則正しく蕎麦切りされて。ちょっと長めの蕎麦は存在感十分です。
つゆが気になります。蕎麦猪口に半分注いで、ちょっとなめてみました。極端な辛口でもなく、程よい辛口で程よい出汁感。実にうまいこと作るなあ。うまい汁です。かけそばも食べたくなります。蕎麦を手繰り直し、ちょん漬けで一気にすすり。まあ、うまいのなんの。出汁と蕎麦の相性がいい。蕎麦が一段とうまくなります。蕎麦を比較するのは愚の骨頂かもしれませんが、同じ茨城で常陸秋そばの二八で君臨するあの店と肩を並べるくらいうまいと思いました。
蕎麦はあっというまになくなって。出された蕎麦湯をいただきます。たっぷりと濃厚なとろとろ蕎麦湯。これは汁のポテンシャルが高いので、汁も蕎麦湯も双方堪能することができました。ここまでの蕎麦湯には思わず喝采。
この蕎麦に合わせるつゆは、という具合に、素材を確かめながら組み合わせを理詰めで設計していく。そんな店主ではなかろうか、との思いでお店に来たかったわけですが、今食べている蕎麦とつゆからは自分の推理を自画自賛したくなるようなレベルを見た思いがしました。神栖という町は自分には何の接点もない町に思っていましたが、もうそれはなくなりました。秋風が立ち始める季節に温かい蕎麦をいただきにまた立ち寄らせていただきます。ご主人のお礼を申し述べお店をあとにしました。